授けられた力・消えた記憶

●町の不思議


料理を腹一杯食べた4人は、そこで今日の事を色々と話していた。


 「…んな、悪魔言ってもわかるはずないやろ。」

唐突に言ったイワンの言葉。

 「そうね。考えてみればそうだ…」

よく考えればそうである。
普通の人間が悪魔を追うことなど無理なのだ。

見つける事も、手掛かりを得る事も難しすぎる。


そんな中、これからどうするか考えていると…

 「あんたら、旅人か?」

 「?そうだが…?」

誰もいなかったはずの隣の机に男が座っていた。

少し警戒気味のルイ。
が、心配はなさそうだ。

男は続ける。

 「そうか。なら、気をつけな。」

 「気をつける?」

 「あぁ。この町に来た旅人は、消えるって話だ。」

 「消える!?」

男の言葉に興味を持つ4人。いや、イワンは持っていないような…

 「数年前からだ。旅人が消えるようになったのは…」

男はルイ達の机に近づいて椅子に座ると、秘密の話をするように顔を近づかせ、囁くように言う。

< 162 / 380 >

この作品をシェア

pagetop