授けられた力・消えた記憶
●町の不思議
料理を腹一杯食べた4人は、そこで今日の事を色々と話していた。
「…んな、悪魔言ってもわかるはずないやろ。」
唐突に言ったイワンの言葉。
「そうね。考えてみればそうだ…」
よく考えればそうである。
普通の人間が悪魔を追うことなど無理なのだ。
見つける事も、手掛かりを得る事も難しすぎる。
そんな中、これからどうするか考えていると…
「あんたら、旅人か?」
「?そうだが…?」
誰もいなかったはずの隣の机に男が座っていた。
少し警戒気味のルイ。
が、心配はなさそうだ。
男は続ける。
「そうか。なら、気をつけな。」
「気をつける?」
「あぁ。この町に来た旅人は、消えるって話だ。」
「消える!?」
男の言葉に興味を持つ4人。いや、イワンは持っていないような…
「数年前からだ。旅人が消えるようになったのは…」
男はルイ達の机に近づいて椅子に座ると、秘密の話をするように顔を近づかせ、囁くように言う。