授けられた力・消えた記憶
男の話はこうだった。
~ある3人の旅人がこの町に訪れた。
その旅人は変わっていた。
何と言うか、人間ではないような…
その旅人が来てからである。この町に異変が起き始めたのは…~
「その旅人が来てからだよ。」
なおも男は静かに言う。
「消えた者達には、何も共通点はなかった…
4人の顔を見回しながら言った。
1人1人、ゆっくりと目を留め、恐怖感をあおるように…
「年齢も性別も、何も…ただおかしいのは消えるのは全員ではないと言う事。」
「生存者が、いるって事か?」
その言葉を聞き逃さず、食いついたのはルイ。
「そうだ。」
「なら、何があったんか聞けたんや…」
興味無しのようだったイワンも、話に加わる。
「それは無理だった。」
「どういう事?」
マイも男に訊く。