授けられた力・消えた記憶

何かに気づいた様子のカリン。

 「!…もしかして…消えた旅人って…あなた…?」

 「よくわかったな。そうだ…」

男はやっとこっちを振り返り、カリンを見つめた。

 「…」

 「もう帰らないとな…元いた場所に…」

男は立ち上がり、4人に背を向けた。

 「待って!何があったんです!?」

カリンは男の後を追った。
すると…

 「それは言えない。いや、俺にはわからない…」

男は振り返り、そう言った。

 「…」

それが最後の言葉。男はそう言い残し、消えた。霧のように…


そして俺達はそこから離れた。



その紋章の秘密をあばく事ができずに…

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