授けられた力・消えた記憶
◆生と死◆
海の近く。
そこには、はしゃぎながら歩く、4人の人影があった。
「お、海やで。すげーなぁ。」
「「…」」
はしゃいでいるのは、約1名のようであるが…
それを無視して歩いていた3人であったが、耐えきれず、長身の女、マイが男に拳を振り下ろした。
ドスッ!
そんな音が、静かな辺り一面に響き渡ったのだった。
「っ…痛いやないかぁ…」
頭を押さえ、切れ長の目でマイを睨む、男の名はイワン。
が、マイの隣にいた、青い瞳が冷たく睨みつける。
「ひっ…!」
青色の瞳を持つ男、ルイの整った顔には、似ても似つかないその冷たい目に、寒気を覚えたイワン。
そんな様子を見ていた、幼い顔の女、カリンは、にこやかに微笑むのだった。