授けられた力・消えた記憶
-……ろ…-
青年は抵抗しようとしただが何もできない…
-……め…ろ…-
声にならない言葉を発する…
男は止める事なく、悪意のこもった微笑みで笑いかけ、言った…
-悪の者を殺す事だけに生き、苦しむといい。-
-…や………め……-
止めてくれ…
止めてくれ…
止めろ…
止めろ…
「止めろー!!」
部屋に響く青年の声…
先程の出来事は、夢だったようだ…
ある青年が見た夢…
「ハァハァ…夢か…」
体中汗をかき、息を荒げた青年は、勢い良く起き上がると、言った。
「何故こんな夢を…」
青年は額に手を当て考えていた
(いや、これは夢なんかじゃない…
実際に起きた事だ…)
(俺はあの日から悪の者を殺してきた…
俺にこの力を与えたあいつを探し出す為に…)