授けられた力・消えた記憶
●故郷
心配そうにカリンを見つめるルイ達3人。
「お前達、何者だ!」
そんな3人の後ろから、そんな声がした。
声の方向に振り返るイワン。
「!何や、あんたら!」
そこにいたのは、この町の者と思われる、武装した男2人。
剣をこちらに向け、威嚇している。
「何をしに来た!」
さっきと同じ男、背の低い方が、一歩前へ出て訊く。
そんな言葉を聞き、マイが男を睨む。
「何って、今そんな事言ってる場合じゃないわよ!」
心配のあまり、目は少し潤んでいた。
「何だと!」
マイのそんな言葉に、少し怒った様子をみせる男。また一歩近づく。
が…
「…待て!」
もう1人の男、筋肉質の方が、近づくのを手で制止し、膝を付き、胸を押さえるカリンに目を向ける。
「…もしかして、カリンじゃないか?」
「!?カリンを知っいるのか?」
目を細めて言う男。
その言葉に目を見開き、男に聞き返すルイ。
「あぁ。知ってるもなにも…」
そう言い、剣を鞘に納め、カリンに近づいてきた。