授けられた力・消えた記憶
ルイは、隣で幸せそうに寝ているイワンへと目を向ける。
「おいイワン…いつまで寝てる?」
イワンの体を揺すりながら、起こそうとした。
「うぅ…」
まだ開いていない目をこちらへ向け、答えるイワン。
「いつまで…て…?…今までや…」
そして再び顔を埋めた。
「…」
呆れた様子のルイ。
イワンを起こすのを諦めたのか、頭をかきながら、身だしなみを整えた。
部屋を出ようと扉に手をかけるルイ。
が、何か忘れたのか、ベッドに戻っていった。
そして…
ドサッ!
「いっ…!」
そんな音が部屋に響く中、ルイは部屋の外へと出て行った。