授けられた力・消えた記憶

部屋を出たルイは、下の階へと続く階段に向かい、廊下を歩いていた。

すると、遠くに人影が見える。

細い滑らかな髪をなびかせる女。

 「カリン?」

そこにいたのはカリンであった。声の方へて顔を向けるカリン。

振り返ると同時に、綺麗な顔が現れた。

 「?…!ルイ。おはよう…じゃ、ないか…」

 「そうだな…」

 「良く眠れた?」

ルイの顔色を伺うカリン。

 「あぁ。かなり。」

それに笑顔で答えるルイ。
そして次にルイが訊く。

 「掃除、してるのか?」

 「うん。」

カリンは手に、大きな箒を持っていた。いや、実際には普通の大きさなのだろうが…

 「お世話になってるから、お礼にね。」

笑顔で答えるカリン。
その姿が何故か似合ってるような感じだった。

 「偉いな、カリン。」

そんなカリンを誉め、頭をなでるルイであった。
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