授けられた力・消えた記憶

そんな2人の元に近寄る人影。

カリンと同じく、細く長い髪をなびかる女性、カンナ。

カンナはルイの姿を見ると、笑顔で話しかけた。
カリンにそっくりの、明るい笑顔で…

 「ルイくん、起きたのね。」

 「お世話になってます。」

礼儀正しく頭を下げるルイ。

 「いいのよ。」

そしてカリンに目を向けた。

 「カリン、手伝ってくれて助かったわ。」

その言葉にカリンは微笑む。
こんな2人の会話を見ていると、本当に親子が話しているようだ。

そんな事を思っている時、

 「んぁー…よく寝た。」

伸びをしながらマイがこちらにやってきた

 「マイ、おはよ。」

 「おはよ…ファー…」

あくびをしながら挨拶するマイ。

それを見てルイが言う。

 「まだ寝たりなそうだな。」

 「かなり寝たんだけどね…」

はにかみながらそう言うのだった。

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