授けられた力・消えた記憶

それから話はカリンへと向けられた。

 「カリン?」

 「…?」

首を傾げるカリン。

 「カリン、ここの町を覚えてないか?」

 「この町を?」

 「そう、この町、何か覚えてない?」

ルイとマイはそうカリンに訊く。
だが、カリンはやからないようで…

 「…全然…」

少し考えた後に、首を横に振った。

 「そか…」

その答えに、溜め息混じりにイワンはそう言った。

 「?何で…?」

その様子を見て、カリンは問う。

 「いや…」

 「何?教えて…」

誤魔化そうとするイワンだったが、カリンは引く様子はない。

 「どないする?」

考える3人。
そして答えを出した。

 「いいだろ…」

ルイはそう言うと、話し出した。

 「カリン、お前はここで、産まれたんだ。」

 「!ここで…じゃあ、ここが私の…」

その言葉に驚くカリン。目を虚ろにさせて言葉を切った。

 「そう、なるわね。」

マイはカリンの言いたい事を理解し、そう言った。

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