授けられた力・消えた記憶

少し暗い雰囲気を醸し出していた4人の元へ、男が近づいてきた。

ここへ連れて来た男ではないが、この建物の者だろう。

 「あの…旅のお方、ですね?」

 「はい…」

少し怪しみながらマイは答える。
だが男は、その返事を聞くと、笑顔になり、続けた。

 「今、下の階でパーティーが行われれるのですが、参加されませんか?」

 「「パーティー?」」

声を揃えるマイとイワン。

 「は、はい。」

そんな様子に苦笑いで答える男。

 「どないする?」

乗る気のイワン。
ここに来た理由を覚えているのやら…

 「俺はいいから、お前達で行ってくるといい。」

イワンとは正反対に、ルイは素っ気なくそう言った。

 「んな、俺達が行くんやったら、ルイも行かなやろ。なぁカリン?」

イワンは何とかルイも連れて行くつもりらしく、最終兵器と言わんばかりに、カリンを巻き込んだ。

 「え、あ、うん…」

カリンは考え事をしていたようで、ただただ返事をした。

 「それじゃあ、みんな行くって事で。」

マイも乗る気のようで…

 「わかりました。少々お待ち下さい」

そう言い頭を下げ、どこかへ行ってしまった。

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