授けられた力・消えた記憶
取り残されたルイとイワン。
2人の後ろ姿を目で追っていた。
「すみません。まだ日本に慣れてないようで…」
2人の姿が見えなくなると、男は笑ってそう言った。
「では、外国から?」
「はい。言葉はあんな感じですが、メイクはすごいで、安心して下さい。」
「そないなんか。」
そんな会話をして、
「それでは、案内します。こちらへ。」
男は2人を下へと案内した。
下はさっきいたレストランとは似ても似付かない場所だった。
まだ暗くないのに、人は大勢いて、酔っている人、大声で話したり笑ったりしている人がいる。
「へぇ…下に、こないな所があるとはな…」
辺りを見回し、イワンはすこし驚いたようで…
「どうぞこちらへ。すぐに来られると思いますので。」
2人はある席へと導かれ、席に座った。
「ありがと。」
男に礼を言うルイ。
その言葉に頭を下げ、男は立ち去った。