授けられた力・消えた記憶

 「何や、すごいな」

辺りを見回し、まだキョロキョロしているイワン。興味津々である。

 「あぁ。そういえばイワン、ケガ、治ったのか?」

ルイは思い出したように、イワンに言った。

その言葉に現実に引き戻され、ルイの問いに答えるイワン。

 「あぁ、これかいな。そないひどくなかったけんな…」

肩にできた傷跡をさすりながらそう言った。
傷は塞がり、少し跡が残っているみたいだ。

それを見て、安心した様子のルイ。

 「そうか。何があったかは聞かないが、気をつけろよ。武器も持ってないんだからな。」

そうイワンに忠告した。

 「武器ならあるで。」

イワンはそう言うと、ポケットをあさくりだした。

 「持ってたのか…」

何を持っているか知らないルイ。少し興味があるようで…

そしてイワンはポケットから何かを取り出した。

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