授けられた力・消えた記憶

机の上に置かれた物は…
小さくて、ゴツゴツした…

 「?…石…?」

 「そうや。」

そう、そこにあったのは小さな石ころ。
呆れた様子のルイだが、イワンは胸を張ってこう言う。

 「石をなめたらあかんで。」

 「ハァ…バカ…」

ルイは溜め息混じりに息を吐いた。

 「何や。やるか?」

それに気づいたイワンは立ち上がり、腕まくりして、ルイに喰いかかる。

 「いや、止めとくよ…」

ルイは手を力無く振ってイワンを止めさせた。

 「そないか…」

イワンは諦めたようで、席におとなしく座った。

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