授けられた力・消えた記憶
『ほら、カリン。』
『でも…』
『大丈夫だって。』
『…うん』
遠くで、そんな会話をしている2人の声が聞こえた。
そしてマイは再び姿を現した。
隣に誰かを連れて…
「!」
「カリン…」
そうそれは、真っ白なドレスを着たカリン。
下を向き、恥ずかしがっている様子だ。
「そんなに恥ずかしがらないで下さい。お似合いですよ。とってもbeautiful!」
恥ずかしがるカリンにそう言う男。
やっぱり日本語が少しおかしい。
「…」
「ルイ、見とれてるんじゃないの?」
ボーっとカリンを見ていたルイに、マイは腕で突つきながら冷やかした。
「!ば、バカ、そんな…」
本当にみとれていたようで、ルイは動揺していた。
「ヒヒヒ…」
そんな様子を見て、イワンは怪しく笑うのだった。