授けられた力・消えた記憶

 『ほら、カリン。』

 『でも…』

 『大丈夫だって。』

 『…うん』

遠くで、そんな会話をしている2人の声が聞こえた。

そしてマイは再び姿を現した。
隣に誰かを連れて…

 「!」

 「カリン…」

そうそれは、真っ白なドレスを着たカリン。
下を向き、恥ずかしがっている様子だ。

 「そんなに恥ずかしがらないで下さい。お似合いですよ。とってもbeautiful!」

恥ずかしがるカリンにそう言う男。
やっぱり日本語が少しおかしい。

 「…」

 「ルイ、見とれてるんじゃないの?」

ボーっとカリンを見ていたルイに、マイは腕で突つきながら冷やかした。

 「!ば、バカ、そんな…」

本当にみとれていたようで、ルイは動揺していた。

 「ヒヒヒ…」

そんな様子を見て、イワンは怪しく笑うのだった。

< 232 / 380 >

この作品をシェア

pagetop