授けられた力・消えた記憶
「ヤン、ありがとね。」
手を振って、ヤンと呼ばれた男に礼を言う。
「いえ、私こそお綺麗なtwo ladyのメイクができ、happyです!」
ヤンはにこやかに2人を見て、そう言った。
「本当にありがとうございました。」
そんなヤンに、カリンは頭を下げて礼を言ったのだった。
「それでは私は失礼します。楽しんで下さい。」
ヤンはそう言うと、姿を消した。
「カリン、座って。」
立ち尽くすカリンに椅子に座るように案内する。
「う、うん…」
カリンはまだ恥ずかしがっているようで、顔を伏せたまま椅子に座った。
「ルイ、俺達向こう行ってくるわ。」
カリンが座ったのを確認すると、イワンは立ち上がり、そんな事を言い出した。
「?」
「情報収集や。マイ、行くぞ。」
「うん♪」
イワンの口からその言葉が出るとは思わなかった。
ここへ来た理由を忘れた訳ではなかったようだ。
マイは嬉しそうに返事をすると、イワンに付いていった。
「え?マイ…」
その様子を見て、カリンはマイに助けを読んだ。が、マイはカリンにウインクしただけで、イワンと2人でどこかへ行ってしまった。