授けられた力・消えた記憶

取り残された2人。

 「…」

2人の間を沈黙が流れる。
カリンは未だ、顔を上げる事は無く、ルイもカリンをしっかりと見る事は無かった…

だが、その沈黙を破ったのはルイであった。

 「…カリン…」

 「!?」

ルイはカリンの名を呼んだ。
びっくりした様子のカリン。ゆっくりと顔を上げる。

 「その…綺麗だよ…」

ルイははにかみながら言う。
そう言った瞬間、2人はバッチリと目が合い、とっさに目を反らしたのだった。

 「!あ、ありがと…」

そんな言葉に恥ずかしがりながら、礼を言った。
頬がほのかに赤く染まっている。

 「いや…」

ルイも少し赤く染まっているようだ。


そして再び沈黙が流れたのだった。


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