授けられた力・消えた記憶
支えていた手を放し、ルイは顔色を変え、カリンから離れる。
「…」
突然の事で、バランスを崩し、座り込むカリン。
だがその様子を見ても、ルイは近づく事はなく、歩を進めたのだ…
ルイの異変に気づき、感染するようにマイとイワンの頭にも、あの言葉が蘇る…
カリンを見つめるその2つの目は怖く、何か他の者を見るような目…
そして2人もまた、カリンに近づく事もなく、ルイの後を追ったのだった…
取り残されたカリン。
いつもと違うルイの反応。自分を見つめるあの2つの瞳…
「…ルイ…マイ…イワン……みんな…」
座り込んだまま、消え入りそうな声で、今にも泣き出しそうな瞳で、3人の後ろ姿を見つめていた…