授けられた力・消えた記憶
「カリン、すまない。」
「ごめんね。」
「ほんま、すまへん。」
カリンの目の位置まで屈み、頭をなでるルイ。
手を顔の前で合わせ、片目を閉じて謝るマイ。
頭をかき、はにかんだように笑うイワン。
そんな3人の姿が、涙で潤んだ瞳から見える。
信じていた仲間の、その姿。
「い、いよ…みんな、あり、がと…みんなは、私の、大切な仲間、だよ…」
泣いている為、言葉が詰まるが、最後までどうにか伝えたかった。
大切な、最高の仲間に…
溜まった瞳から涙が頬を伝っていく。
一粒の涙の雫が、頬から落ち、腕につけているブレスレットへと、落ちていった…
ブレスレットは、その雫を待っていたかのように、勢い良く雫を取り込む。
そして…
「「!」」
涙の雫が落ちると同時に、4人の周りを暖かな空気が包み込む。
「何だ?」
何が起きているのかわからない…
だが、この暖かな空気は、決して危険な物ではないという事だけはわかる…