授けられた力・消えた記憶

 「…懐かしい…」

この空間に、心を委ねていると、カリンがブレスレットを握り、見つめながら言った。

 「?もしかして…」

一斉にカリンへと体を向ける。

 「…思い出したよ…」

 「「!?」」

カリンは輝く瞳で3人を見つめ、話し出す。


 「あそこは私の故郷。そしてカンナさんが私の母親なんだ。」

しかしそこで顔を歪める。

 「でも…何かが思い出せない…陰は見えるの。でも、それが誰なのか…わからない…」

無理に思いだそうとするカリン。
それを見ていたルイは、カリンの頭へと手を載せた。

 「そうか。でも、それだけ思い出せたなら、良かったじゃないか。」

優しい青い瞳でカリンを癒す。

 「うん。みんなのお陰だよ!」

その瞳を見つめ返しながら、笑顔でそう言った。

そして4人は共に笑い合う。


こんな空間が、ずっと続きますように…



そんな願いを心に抱きながら…


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