授けられた力・消えた記憶
空気が湿ってきたように思える。
山の気候は変わりやすい。
雨が降るのだろうか…
「あぁ…疲れたな…」
「そうね…どこかで休めたらいいんだけど…」
山道ということで、いつもより体力を使う。
4人は疲れているようだ。
「…この辺りだろう。」
「?何かあるの?」
辺りを見回していたルイはそう言った。
こんな山道に、何があると言うのだろう
「俺が昔、使ってた場所だ。」
「?」
その言葉にカリンは首を傾げる。
ルイはここに来た事があったらしい。
「んじゃ、そこに行こうや。」
「えぇ。」
とりあえずそこへ向かう事にした。
何があるかはわからない。
しかし、早く良い所を見つけないと…
雲行きが怪しくなる…
今にも泣き出しそうだ。
「…あそこだ。」
雫が落ち始めた時、ルイはある場所を指差した。
そこにあったのは、意外に大きな洞窟。
贅沢は言えない。
この雨がしのげるのならば、いい所である。