授けられた力・消えた記憶

 「でも、何ともできないわ。」

マイは少し考え、そう言った。
確かに、悪魔が倒せない者を、人間が倒せるはずがない…


しかし、どうなるかはわからない…

青き瞳を持つ、この方ならば…

 「…ここに来たのは、あなた方にノワールの居場所を伝える為です。」

 「!知ってるのか!?」

リリンの言葉に素早く反応すりルイ。

 「はい…ノワ様の仇を、討って下さいますね?」

ノワールの居場所を教える。その代わりにノワの仇を討つ。

それが条件という事だ…


仇を討つ。できないかもしれない…
しかし、ルイはノワールの元に向かわなければならない。

居場所を知る、最後のチャンス…

ならば、承諾するしかない…


 「あぁ…わかった。」

 「よかった…」

その言葉を聞き、リリンはホッとする。
そしてルイの瞳を見つめ、言う。


 「ノワールのいる場所は…“我が悪の道の最果て”です」


   “我が悪の道の最果て”


 「は?何やそこ?」

意味がわからないと言った感じである。

そんな場所があるはずがない。
それに、それだけでは、わかるばす…

 「…そこまでは言う事はできません…」


リリンはこれ以上は何も言えないと
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