授けられた力・消えた記憶

掌を見つめ、考えている様子のカリン。

不思議に思い、カリンに顔を近づけるルイ。


 「?どうした?」

 「!ううん…」

ルイが近づくのに気づいたカリンは、見つめていた掌を隠すように後ろへと回し、ルイから見えないようにした。

 「?」

だがルイには隠しきれなかった。
後ろへと回した腕を掴み、前へと出す。

 「!」

何故隠したのかはわからない…しかし、ルイには知られたくなかった…

 「!これ…」

 「…」

ルイに掴まれた掌には、黒い円のような物があった…

それはあの時見た、紋章だった。
カリンの掌に、アザのように浮かび上がっている…



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