授けられた力・消えた記憶
歩き続ける4人。
今は、荒れ果てた地を歩いている。
「ルイ、まだかいな…」
何もない所を歩き続けるせいで、飽きたのか、イワンが口を尖らせて言った。
「もう着く。」
「?着くて、何も…」
イワンの問いに、そう答えるルイだが、イワンが言う通り、周りには何もない。ただ、荒れ果てた地のみ…
「ここだ…」
ルイの言葉に3人は目を向けるが…
「!?何も…ない…」
そこには町も建物も、何もなかった。
先程歩いた荒れ地と同じようだが…
「争いで、全て燃えたんだ…だからここには人も、町もない…」
「そか…」
少し辛そうに見えるその瞳…
やはり、いざ来てみると、過去の辛い思いが蘇ってくるのだろう…
辺りを見回している時、
「?」
「?どうしたの?」
カリンが何かに気づいたようだ。
「あそこ…」
荒れ果てた地を指差すカリン。
荒れた地のみで、何もないように見えるが…
「…!何かあるみたい…」
「実際に、何かあるんちゃうか?」
4人の目には、何かが見えるようだ。
そこだけが、別の空間に繋がっているような…空気が歪んでいるように見えるのだ…
「行こう。」
強い意志のこもった青い瞳で、ルイは歩き出した。
これから何が起こるかわからない、その場へと…