授けられた力・消えた記憶

歪んだ空間のように見える場所の前に、4人は立つ。

そしてルイがそこへと手を伸ばす。

 「…何?これ…」

 「空間が、違うみたい…」

すると、その空間は触れた所から歪んでいった…


 「空間…行こう。」

 「?やばいんちゃうか?」

どこに繋がっているのかはわからないが、行くしかない。
しかし、イワンは難しい顔をしている。行きたくないというような…


 「俺は、行く。」

イワンの言葉に、ルイは強い意志で言う。

 「…私も。」

それに答えるように、カリンはルイの側に寄った。

そしてマイは、

 「行くよ、イワン。」

命令的にそう言ったのだった。

 「は?」

 「行かなきゃでしょ。」

 「…わかったよ。てか、行くに決まってんやろ。」

そうして、4人の意志は繋がった。

何が待っているかわからない、そんな所へ向かう事に…


 「じゃあ、行こう。」

ルイは4人の顔を一人一人見ると、そう言った。

       ギュッ

繋いでいた、その手に力が入る。

 「!」

(ルイも怖いんだ…)

そう感じたカリンは、笑顔で答える。

 「うん。」

それが、自分のやれる事だから…
ルイの心を癒す事が自分のやれる事…


 「うん」

マイとイワンも頷く。


そして、4人は歩き出す。

どこへ繋がるかわからない場所へと…


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