授けられた力・消えた記憶
●真実
空間の歪みの中に入った4人。
そこは暗く、何もない、トンネルのような場所だった。
「何、これ…?」
「何か、変や…」
歩く度に、地面が歪む。
暗いせいで、入ってきた場所もわからない為、後戻りもできない。
どうするべきか、迷っている時、
「あそこ、光が…」
カリンが指を差した。
そこには確かに光がある。
微かな光。出口か、入り口か、今はどうでもいい。
ここから出れるのならば…
4人はその光へと向かった。
「出た…」
光へと向かうと、そこは外だった。
だが、先程いた場ではない。地も荒れておらず、逆に緑が生い茂り、川が流れる、自然豊かな場。
「ここは…」
「わかるんか?」
辺りを見回す。
どこか、懐かしいような気がする。
「いや…」
「知らへんのかい…」
「何突っ込んでんのよ…」
こんな場所でも、2人は変わらない。
「…!ルイ、あれ…」
「?…!!」
そんな2人を放って、カリンはあるもの場所へと指を差す。
「どないした?」
「何かあった?」
2人も異変に気づき、指差す方へと顔を向ける。
そこには、人がいた。
足を組んで座り、川を眺めているようだ。
「人間…?」
「…いや…脈拍がない…」
青き瞳で睨みつけるルイ。
そして、口を開く…
「…ノワール…」
「「!」」
その言葉に驚く3人。
目の前に、
ノワールが、いる…