授けられた力・消えた記憶

(…悪魔に命じたのも…屍を蘇らせたのも…霊である少女を迷わせたのも…全てやったのは…私、だ…)

その現場が、カリンの頭に、フラッシュバックするように、蘇る…


全てを思いだし、目を覚ましたカリン。

それを確認したノワールは、再び、不適に笑う。


 「ならば、本人に訊くといい。」

 「!…」

指を差すノワール。

そこに顔を向けると、起き上がり、ルイとノワールを見つめるカリンの姿があった…


信じたくなかった…
嘘だと言って欲しかった…
いや、嘘だと信じていた…

なのに…


 「…」

ルイを見つめるカリンの瞳から、一粒の涙が流れる…


それでわかった…
本当だと、いうことが…
ノワールの言う事が…本当だと…いうことが…


 「!!嘘…だろ…?そんな、訳…」

 「…」

今にも意識が途切れそうなルイ。

それをお構いなしに、カリンは走り出した。短剣を低く構えて…


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