授けられた力・消えた記憶

全速力で逃げるカリン。

 『フフ…逃げてもムダさ。』

そけを見て、彼女はまた笑う。
そして指を鳴らした。

       パチン!

すると、暗闇から何かが現れ、カリンの足に絡みつく…

 「!どうして…」

足をとられ、転ぶカリン。
彼女へと目を向ける。

 『ここは私の物になったからさ。』

 「そんな…」

転んだカリンの元へと彼女は近づく。

そして、カリンの髪を掴み、顔を持ち上げる。

 「っ…!」

歯を食いしばるカリンに顔を近づけ、一度笑うと、カリンを突き飛ばした。

       ドスッ!

勢い良く地面へと叩きつけられ、痛みが体全身に伝わる…

 『私はノワールと新たな悪を作るのさ。だからあんたには邪魔はさせない。』

そう言うと、彼女は腕を挙げる…


       ギュッ!

 「!!動け、ない…」

それと共に、暗闇から何かが現れ、カリンを縛り付ける…

動きを封じられた…


 『せっかくだから、あんたにあいつの死ぬ所を見せてやるよ。』

彼女はカリンの整った顔に指を沿わせ、何かを企んだように笑う。


彼女の目の先にあったものは…

 「!ルイ!」

ノワールと戦うルイの姿…

ルイは体中傷だらけである…


(…ルイ…お願い、逃げて…)


何もできないカリンは、心から願うのだった…

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