授けられた力・消えた記憶
●恐れ・安心
目を覚まさないカリンを抱えたまま、マイとイワンへと目を向ける。
「イワン?マイ?」
「…」
返事はない。
しかし、眠っているようだ。
そんなルイの元へ何者かが現れる。
「!誰だ!」
背後から近づく人物に気づき、ルイは銃へと手を伸ばしながら、振り向く…
『驚かせたようで…』
そこにいたのは、真っ白な肌に、真っ白の服をきた、綺麗な女…
「…サキ…どうしてお前がここに…?」
そう、そこにいたのは、城にいたサキ。
しかし、今のサキは、今までと違う。
雰囲気も、声も、全てが…
『私の指名ですから…』
「使命?」
ルイに笑いかけ、そう言う。
しかし、その言葉の意味はわからなかった…
サキはルイに抱えられたカリンへと目を向ける。
すると、カリンの額へと手を伸ばす。
「…」
何をするのかわからないが、ルイはその行動を見つめていた…