授けられた力・消えた記憶
消えたサキの事は気にかかってはいたが、サキの示した建物へと4人は向かった。
「ルイ、カリンをあのベッドに…」
「あぁ…」
部屋に入るなり、眠り続けるカリンをベッドに寝かせる。
しかし、それは突然起こった…
いきなり目を見開いたと思うと、その手をルイへと伸ばす…
ギュッ!
カリンは、ルイの首を絞めたのだ。
ルイを憎らしく睨むその瞳は、うっすらと、緑色を帯びていた…
どこかで見覚えのある瞳のように…
「!!」
「!ルイ!」
「何やっとんや、カリン!」
マイとイワンは止めようとするが、何もできない…
「うっ…!」
力強く首を絞めるカリン。
その力は、彼女の物とは思えない…
『お前がいなければ…』 バタ
見開いた目でルイを睨み、そう言うと、気を失うように、再び眠りに入った…
それは、
いきなり起き、いきなり終わった…
訳がわからす、沈黙が続く…
「何や…今の…」
「…」
何が起こったのか…
3人には理解できなかった…
ただただ、眠るカリンを見つめるしか、なすすべがなかった…