授けられた力・消えた記憶

健やかに眠るカリン。

その周りには、沈黙のままの3人の姿があった…


そんな中…

 「ん…」

 「!カリン?」

カリンの目が、ゆっくりと開かれる…

彼女の瞳にまず始めに映ったもの…
それは…

 「…!ルイ…」

そうそれは、綺麗な青い瞳をまっすぐに向けるルイの姿。


 「よかった…」

 「ふぅ…」 

いつものカリンの様子に安心するマイとイワンの2人。

それと同時に…

       バタ

何かが倒れるような音…

 「!イワン!?」

次にはマイの叫ぶ声…

何が起こったのか…

 「!どうした?」

ルイは音の方へと顔を向ける。
そこには…

 「イワンが…ちょっとイワン…!?」

倒れるイワンと、それを心配そうに揺らすマイの姿。

マイは今にも泣き出しそうだ…


2人の元へカリンが近づく。
そしてイワンの顔を覗き込んだ。


 「…眠ってるだけ、みたいだよ…」

 「え?」

その言葉に、マイは唖然とし、イワンへと目をやる。


 「グー…」

沈黙の中、イワンの寝息が響く…

 「!このバカイワン!」

心配した事に損をしたというように、イワンを叩くマイ。
その顔は、ほんのりと赤く染まっていた。


 「クスクス…」

その様子を見て笑うカリン。



何もなかったように、

いつものように、


この空間が流れるのだった…

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