授けられた力・消えた記憶
何が起こったのかと頭をかく寝起きのイワン。
それを赤い顔をして何度も叩くマイ。
2人を見て可愛らしく笑うカリン。
そんな3人を見るルイ。
そしてその目はカリンへと向けられる。
(…さっきのは何だったんだ…今と全然違う…!悪の、血…)
そんな事を考えていると、目の前にカリンがいた。
「?ルイ?」
背伸びをしながらルイの瞳を覗く幼い顔。
その顔は心配した様子である。
「!何だ?」
「どうしたの?何か、疲れてるみたいだから…」
「…大丈夫だ。気にするな。」
ルイは微笑みそう言った。
カリンに心配をかけたくない…
「…うん…」
カリンはまだ心配の残った顔をしているが、笑顔になる。
カリンはまた、マイ達を見回し、笑っていた。が、
(『必ず悪の道に…お前を導く…』)
心の中で、何者かが囁く…
自分の中の自分…悪に満ちた…自分…
ズキッ!
「!何…これ…」
掌に痛みが走る…今までにない、激痛が…
あまりの痛さに膝をつくカリン。
腕を握り、必死に痛みに耐える…