授けられた力・消えた記憶

隣で苦痛の顔をして、痛みに耐えるカリン。


 「!どうした!?」

異変に気づいき、ルイはカリンの横に屈む。



 「ハァハァ…」

(そうだ…私、悪の血が…)



息を荒げるカリン…
腕の痛みと共に、そんな言葉が頭をよぎる…




顔を上げ、イワン、マイ、ルイと目を向ける…


(私はみんなを危険な目に…)




腕のアザを見て、ルイは何が起こっているのかを理解する。


 「!ひどくなってる…見せて…」

ルイは声をかけ、カリンの腕を取るが…


 「止めて!」

その腕を振りほどき、ルイと距離をとる

 「!?」

 「来ないで!」


座り込み、何かから逃げるように、後ずさる…


 「カリン、どう…したの…?」

マイは、カリンの異変に、動揺しながらも、心配する。



カリンの目は、涙で潤み、3人を恐怖の目で見つめる。



そして、両手で頭を抱え、自分に言い聞かせるように言った…

 「…私には、悪の血が、流れてる…みんなを危険な目に会わせたのは、私…私はここにいちゃいけない…みんなと関わっちゃいけない…」


悪の血…


その言葉が、3人の頭の中を巡る…

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