授けられた力・消えた記憶
恐怖で体が震え、困惑するカリン…
頭を抱えたまま顔を伏せ、呟く…
「…私は…私は…」
そんなカリンを目の前にして、どうにか落ち着かせようとする3人。
「何言っとんや、カリン…」
「…カリン、お前はそんなんじゃ…」
「そうよ、カリン…」
何度か声をかけ、試みるが、カリンの様子は一向に変わる気配はない…
「…私は…」
強く目を閉じ、苦しんでいるカリン…
その様子を見ていられなくなり、ルイは動きを見せた…
ギュッ
「!」
震えるカリンを落ち着かせるように、腕を背中と頭の後ろに回し、優しく、それでいて力強く、カリンを抱きしめる…
「違うって、言ってるだろ…」
耳元でそう囁く…
まるで、心の奥底から癒やすように…
「…でも…」
「カリンがどうであろうと、カリンはカリンだ。カリンは俺達の、仲間だ。」
「…仲、間…」
体の震えが落ち着いたのを確認すると、体を離し、カリンの顔を見つめる。
綺麗な青い瞳で…
「そうだ、仲間だ。お前は俺達の、大切な大切な、仲間だ。」
「…本当に、いいの…?」
その言葉に、一粒の涙が頬を伝う。
それをルイは親指で拭ってやる。
そして笑いかけ、言うのだった。
「いいに決まってんだろ?」
「…」
何も言葉が出ない…
嬉しくて、優しい言葉が心を癒やしてくれて…
再びカリンの頬に涙が流れるのだった。
ギュッ
そしてルイは再びカリン抱きしめ、頭を優しくなでるのだった…
「行きましょ。」
「そやな。」
それを見ていたマイとイワンの2人は、微笑み部屋を後にした…
幸せなこの時間…
ずっと続きますように…