授けられた力・消えた記憶

ルイは、1人でカリンを探しに行こうとし、勢い良く扉を開いた…

       バン!

 「!?」

しかしそこには見覚えのある人影が…

一つの影が言う…

 「何や、置いてく気か?」

暗闇から現れたその人影から覗く鋭い目…

そしてもう一人…

 「私達の事、忘れたんじゃないわよねぇ?」

腕を組み、扉に背を預けて立つ、長身の女…


 「イワン、マイ…」

そう、そこにいたのは、ルイと共に旅をした仲間、イワン、マイの姿。



 「何かあったんやろ?」

イワンはそう言いながら、近寄ってくる

 「…」

 「そんくらいわかるわ。何年一緒にいた思てんか。」


無言のルイに、イワンは顔を近づけ言う。

そしてマイは、腕組みをし、背を預けたままルイの方へと顔を向ける

 「何かあった時は、お互い様でしょ?少しは頼りにしてよ。」

 「だが…」

 「私達、仲間でしょ?」

 「…」


仲間…その言葉が胸に響く…
しかし、迷惑をかける訳には…


 「行くで、ルイ。」

 「え…」

そう言うと、イワンはルイの腕を掴み、引っ張る。

 「ほら早く!」

 「…あぁ…」

前へと進むルイの背中を押すマイ。

2人の後押しで、ルイは足を進めた。


そして3人でカリンを探しに走り出す。


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