授けられた力・消えた記憶
◆終わらぬ苦しみ◆
ある女を探す為、町を走る3人の人影…
3人は、出口へと向かっていた…
その時、
「…!ねぇ、あれ…」
マイが何かに気づいたようだ。
ある場所を指差し、目を細めている…
「!?」
そこには、座り込み、肩で息をしている人影がある…
「カリンやないか?」
「?…!カリン…」
暗闇ではっきりとした事はわからないが、3人はその人影へと近づく…
「?…」
その人影は、背後から近づく何者かに気づいたらしく、そちらへ振り返る…
「…!」
こちらへ振り向いた瞬間、彼女の顔が露わになる…
綺麗で、幼さの残る顔…カリン…
カリンは振り向き、3人の人物を見ると、驚いたようで、動きをみせた…
「!逃げた!」
「!待って!」
そう、カリンは3人を見た瞬間、立ち上がり、ふらつきながらも、走り出したのだった…
苦痛の顔をし逃げる1人の女…
そして、それを追いかける3人…
それを見ていたのは、厚く覆った雲の隙間から覗く、三日月のみ…