授けられた力・消えた記憶


再び走り出したカリンを追おうとしたが、何者かがそれを遮るように、目の前に立ちはだかる…


見覚えのあるその姿…

怪しく光る緑色の瞳…

 「!お前…」

 「!ノワール…」


憎き、悪の存在…ノワール…


腕を組み、余裕綽々の瞳で3人を見下ろすノワール…

その後ろでは、カリンの姿が暗闇の中へと消えていく…


 「ルイ、お前はカリンを追いぃな…」

 「ここは私達に任せて…」

それを目で確認しながら、弓を構えるマイ…


 「お前達だけで私を倒すだと?フン…笑わせるな!」

2人の言葉を聞き、ノワールは鼻で笑い、緑色の瞳を光らせる…


(2人を危険な目に合わせる訳にはいかない…)

そう思ったルイは、2人の前に立ちはだかる。

 「…俺がこいつの相手をする…」

 「何言ってんの…」

 「そや…」

マイとイワンは、目はノワールに向けたまま、そう言う。

しかし…

 「いいから、カリンを追ってくれ…」

 「…」

ルイの意志は変わらない…


 「…行くぞ…」

少し考えた後、イワンはマイにそう言うと、ルイとノワールの横を走り抜ける

 「え…うん…」

マイは少し遅れたが、その後を追う

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