授けられた力・消えた記憶

カリンの後を追う為、ノワールの横を通り過ぎるイワンとマイ。


その時、ノワールの心の声が囁く…


 『私の命はもうもたぬ…生きているまでに、カリンを我が道に連れて来なければ…私の後を継がせる為に…』

その声に従うように、ノワールは走り去る2人を捕まえようと手を伸ばすが…


 「お前の相手は俺だ!」

 「チッ…」

その手に剣で斬りかかるルイ。

何とかその攻撃を交わすノワールだが、ルイを見るなり、嫌な顔をした…


そしてまた2人の戦いが始まった…



剣を振るうルイ。そしてそれを交わすノワール。

 「ハァハァ…」

(前と違う…力も、素早さも…)

そう、今回のノワールは違っていた…

何と言うか…攻撃を仕掛けでもって、ただ交わすだけで、決して動きを見せようとしない…


だが、隙を見せる訳にわいかない…

ルイは再びノワールに襲いかかる…


しかし…

 「…クッ…ゴホゴホッ…」

ノワールは咳き込み、体制を崩したのだ

 「!どうした!?」

振り下ろそうとした剣を止め、ノワールの心配をするルイ…

 「…うるさい…敵の心配を…」

ノワールはその態度が気に入らなかったのか、ルイに立ち向かおうとするが、ふらつく…


何が起きているのか…


不思議な空気が辺りを漂う…


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