授けられた力・消えた記憶


異変に気づいたルイ。

ノワールへと向けていた剣を下ろし、心配そうな瞳を向ける。



ノワールの瞳から、緑色を帯びた光が消えた…


 『…君が、カリンを助けてくれた…ゴホゴホ…』

 「…!貴方は…」


それは、カリンの父親である、善のノワール


彼の口から発せられた声は、優しく、それでいてどこか悲しみを帯びていた…


 『…私の命は、もう少ない…カリンに、もう一度会いたいと思ったのが、バカだった…』


 「そんな…今、後を追えば、間にあいます。」

ルイは、カリンが消えた暗闇へと目を向けた。


が…


 『…もう、いいんだよ…』

 「しかし…」


 『クッ…君に……』

膝をつき、胸を押さえるノワール…


それを見て、ルイはノワールの元へと近づき、屈む…


 『…君に…頼みたい事がある…』

 「?」



近づき、心配な瞳を向けるルイに、ノワールは強い意志のこもった瞳を向け、話し出した…



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