授けられた力・消えた記憶

眩い光がカリンを覆う…



 『助けたいのか?』

 「え…?」


そこから聞こえる不思議な声…

誰なのか…



 『あの男を、助けたいのか?』


誰なのかわからない…
しかし、そんな事はどうでも良かった…


ルイが助かるのなら…


 「…はい…」

カリンは誰かもわからないその声に、そう答える…



 『自らの命をかけても?』


 「…はい…私の命の代わりに、ルイを…ルイを助けて下さい…」



誰でも良かった…ルイを助けてくれるのなら…



例えそれが悪魔だとしても…

この命を…捧げる…



 『わかった。その望み、叶えよう。』


光が消えると共に、その声は消えた…




強く願う気持ちが通じだのだろうか…


この満月の星空の下、


1人の女が、ある者を助ける為、自らの命を捨てた…


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