授けられた力・消えた記憶
輝く光へと姿を消す中、サキは、もう一度振り返る…
『カリンさんにかけられていた物は、全て取り除きました。』
「かけられていた物…!悪の血…」
カリンの掌へと目を向ける…
そこには、今まであったはずの、黒いアザがなくなっていた…
あの痛々しい、憎き悪の血…
それが、カリンの中から消えた…
『もうその心配は、ありません。』
「サキ…」
『もう1つ…カリンさんの記憶は、消えてしまっています…』
「!…記憶を…」
ルイは、カリンへと目を向ける…
そこには、スヤスヤと眠る、可愛らしいカリンの顔が…
それを見ると、顔が弛んでしまう…
ルイは一度微笑んで、サキに言う…
「記憶が消えていようと、俺達の心は、繋がってる。」
強い意志のこもった瞳…
ルイは、カリンを護ってくれる…
必ず…
その言葉を聞いて安心したのか、サキは微笑む
そして、光がサキを包み、何もなかったかのように、光が薄れていった…
サキは、光と共に、姿を消した…
「ありがとな…サキ…」
ルイはサキが消えた場所を見つめ、そう呟くのだった…