授けられた力・消えた記憶

カリンは、一点を見つめたまま、歩を進めている…


 「何が…起こっ…ん!!」

イワンの言葉は途中で途切れ、驚いたような声を上げた。


    ドン!!

さっきまで立ち尽くしていた屍達が、イワンの上に崩れ落ちてきたのだ。


 「!!…何や…動けへん…」

何人もの屍がイワンを下敷きに覆い被さっている為、身動きがとれない。


だが、それには目もくれず、カリンは歩き続けていたのだった…


何かに導かれるように…


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