授けられた力・消えた記憶


そう、それはルイとカリン。

予想もしない来客に、イワンは微妙な顔をする。


それに気づいたのか、ルイは苦笑い。


 「どないしたんや?」

 「いろいろありがとな。」

思いもしない言葉。

戸惑うイワン。


 「何やそれ言う為に、わざわざ来たんか?」


 「イワンの力には、すごく助けられたから。」

またカリンの口からも…



(何やこいつら…何でそんなに優しぃねん…)



 「…何も…してへんよ…」

イワンはそう言うと、2人から顔を背けた。


 「?イワン…?」

異変に気づいた2人。


 「イワン…泣いてんのか…?」


 「!!」

ルイの言う通り、イワンの目には光るものが…


 「な、泣いてなんかあらへん…泣いてなんか…」

イワンは否定しようとするが、確かに声は震えていた。


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