授けられた力・消えた記憶
未だ顔を2人に向けないイワン。
そんなイワンの側に誰かが近寄る。
そして…
「泣かないで、イワン。」
優しく、奏でるような言葉…
「!…」
その言葉に、顔をこちらに向ける。
そこにあったのは…はじけるような可愛い笑顔。
「…どないして…どないしてそんな優しくすんねん…?」
「え?」
「俺…いくら人の為に何かしても、感謝されへんかった…こんな力のせいで…」
イワンは拳を強く握っている。
「そないなんに…あんたらは違う…」
「当たり前だ。」
「え!?」
「お前は俺達を助けてくれたんだ。感謝して当たり前だろ?」
その言葉にカリンも笑顔で頷く。
「あんたら…」
イワンは今にも流れ出そうな涙をこらえ、満面の笑みで言う。
「ありがとな!!」
そして3人して笑ったのだった。