授けられた力・消えた記憶

その静けさを破ったのは、イワン。

 「猫や…無かった…」

そしてカリンも。

 「あれが…霊…?」

動揺する2人に対し、落ち着いた様子のルイ。

 「何でわかったんだ?」

 「あの猫には影が無かった。」

 「影?」

 「霊には影が無いって事か…」

 「そう。だから、それで私は判断してる。だけどイワン、あなたがいれば心強いわ。」

そう言ってイワンの方を見る。

 「何や、照れるやないか。」

イワンは顔を反らす。
そんなイワンを知ってか知らずか、ルイは言う。

 「これからの時間が危険だ。気をつけろ。」

その言葉にみんな頷くのだった。

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