授けられた力・消えた記憶

(そんな事はあり得ない…)
(誰にも聞こえなない音が聞こえるなんて…)

カリンは気のせいだと思った。
その時…

――リーン…

「!」

だが、今確かに聞こえた。さっきよりもはっきりと。

――リーン…

「!また…こっち!」

カリンは鈴の音に向かって走り出した。

 「!カリン!」

叫ぶルイ。

 「!行こう!」

走り出したカリンを見てマイは言う。

 「あ、あぁ」

そして2人はカリンを追って走った。イワンを置いて…


 「…!置いて行かんどってぇな!」

ワンテンポ遅れ、1人暗闇の中に残されたイワンは、置いて行かれた事に気づき、2人の後を追った。

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