授けられた力・消えた記憶
カリンを追って、建物の間をすり抜けて行く。
そのたびに暗闇が一層増していくように思えるのは気のせいだろうか…
どれだけ走ったろう…辺りは暗すぎて、視界がはっきりしない。
そんな中、走るスピードを緩めながら、3人はある場所へと着いた。
そこは何もない…暗闇が似合う場所…
そこを照らす一筋の光…
そこに人影がある…小さな、柔らかな長い髪を揺らす可愛らしい少女…
そうそれは…カリン…
「…」
「カリン…」
カリンの姿を確認し、ルイは安心したように声を漏らす。
だがカリンは一点を見つめたまま、動こうとはしない…
3人はカリンの見つめる先を追った。
そこにあったものは…
「…!霊!」