授けられた力・消えた記憶

少しの沈黙の後、伏せた顔を4人に向ける女性。

<<娘は今も、このどこかにいるはずなんです。ですから、見つけ出してはいただけないでしょうか?>>

頼むように言う。

 「自分で見つけられへんのかいな?」

イワンはまだ彼女を信じていないように、冷たく言う。

<<私はここにしかいられません…一度向こうに行った者ですから…>>

イワンの言葉に小さく囁くように言う女性。

それを聞いて、イワンは言葉を失った。


 「あなたの娘さんが、この異変に関わってるんですね?」

イワンとは反対に、ルイは彼女の言うことに何も疑いを持っていないようだ。

<<はい。必ず…>>

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