授けられた力・消えた記憶
先ほどいた場所からほど遠くない場所に、カリンの姿があった。
「…」
「?」
何かを見つめるカリンの横に並ぶルイ。
「…そこ…」
それに気づいたカリンは、指を差した。
「?…!君が…」
そこにいたのは幼い女の子。
花畑の中で、身を縮めて座っている。
「!!」
ルイの声が聞こえたのか、女の子は体をびくつかせ、ゆっくりとこちらを見る。
大きく見開いた目が、ルイとカリンの目と合う。
「大丈夫。俺達は…」
近づこうとしたルイ。
だが…
「来ないで!!」
「!…」
叫ぶ女の子の声に、ルイは動きを止めた。