授けられた力・消えた記憶
少し顔を歪め、カリンは言う。
「…ここから先には…行けない…」
<<えっ?>>
その言葉に驚いた様子の女の子。
「あなただけでも行けるわ。道はわかるはず。」
カリンは女の子の肩に手を置き、優しく言う。
<<でも…>>
それでも戸惑う女の子。
だが、これから自らで行かなければならないのだ。
自分達は付いて行く事はできない。
「さぁ…」
<<…うん。>>
それをわかっているカリンは、女の子の体を道の方に向け、背中を押した。
そして女の子は歩を進める。
一歩ずつ確実に…
が…
<<行くな…お前の母親は、向こうになど、いない>>
女の子の前に新たな霊が現れる。